私たちは日々の生活の中で、つい「もっと頑張らなきゃ」「できない自分はダメだ」と、自分に厳しい言葉を向けてしまいがちです。
でも、その小さな自己否定の積み重ねが、心の疲れや体調の乱れにつながることも少なくありません。
セルフコンパッションは、そんな自分にそっと寄り添い、やさしく声をかけてあげる習慣です。自分を責めるのではなく、「今の私で大丈夫」と認めることで、心がゆるみ、体も整いやすくなっていきます。
体質改善や健康維持は、知識や努力だけでは続きません。自分を大切に扱う姿勢が、行動を無理なく続ける土台になります。
ここでは、セルフコンパッションを日常に取り入れながら、心と体をやさしく整えていく方法をお伝えしていきますね。
今回は、こころとカラダの栄養ダイエットでカウンセリング栄養コーチをしている管理栄養士の筆者が「セルフコンパッション習慣で心を癒し体質改善と健康維持を実現する」のお話しをさせていただいていますので、ぜひご覧ください。
セルフコンパッションとは?
セルフコンパッションは、自分にやさしく接することで心と体を整える習慣です。
自己肯定感とは少し違い、「できる自分」を認めるのではなく、「できない時の自分」にもやさしく寄り添う姿勢が特徴です。

最近では、ストレス社会の中で心身の不調を抱える人が増え、セルフコンパッションが注目されています。
自分を責めるクセを手放し、安心感のある内側の土台を育てることで、体質改善や健康維持にもつながるとされ、医療・心理・教育の分野でも広く取り入れられています。
ここでは、セルフコンパッションの基本と、日常に取り入れるヒントをやさしくご紹介していきますね。
“迷宮入りの原因”をやさしくほどいていきます。

セルフコンパッションの3要素
セルフコンパッションには、3つの柱があります。「自分への優しさ」「共通の人間性」「マインドフルネス」。
これらは、心の安定を育てるための土台であり、どれか一つではなく、3つがバランスよく働くことで効果を発揮します。
たとえば、失敗したときに「自分はダメだ」と思う代わりに、「誰にでもあること」と受け止め、「今の気持ちに気づいてあげる」ことで、心がゆるみ、体も整いやすくなります。
この章では、それぞれの要素をやさしく紐解いていきます。
自分への優しさ
セルフコンパッションの第一歩は、自分にやさしく声をかけることです。
「こんな自分じゃダメ」と責める代わりに、「今の私はよく頑張ってる」と認めてあげる。
この習慣が、心の緊張をほどき、体の回復力を高める土台になります。
やさしさは、行動を続ける力にもなります。
共通の人間性
「失敗するのは自分だけ」と感じると、孤独や自己否定が強くなります。
でも、誰もが不安や葛藤を抱えて生きている…それが“共通の人間性”です。
この視点を持つことで、自己批判から距離を置き、安心感が生まれます。
体質改善も、孤独ではなく“つながり”の中で進めることが大切です。
マインドフルネス
マインドフルネスは「今ここ」に意識を向ける力です。
過去の後悔や未来の不安にとらわれず、今の自分の感覚や気持ちに気づくことで、心が落ち着き、体の緊張もゆるみます。
食事や睡眠の質にも影響するため、体質改善との相性も抜群です。
自己批判が体調に与える影響
自己批判は、心だけでなく体にも大きな影響を与えます。「もっと頑張らなきゃ」「こんな自分じゃダメ」といった思考は、自律神経を乱し、ホルモンバランスを崩し、睡眠や食欲にも影響します。
その結果、体質改善がうまくいかない、健康維持が続かない…という悪循環に。セルフコンパッションは、このループをやさしく断ち切る力になります。
自律神経
自己批判が続くと、交感神経が優位になり、常に緊張状態に。これが血流や消化機能の低下につながり、体質改善を妨げます。
セルフコンパッションは、副交感神経を働かせ、心身をリラックスへ導きます。
ホルモンバランス
ストレスによる自己否定は、コルチゾールなどのストレスホルモンを過剰に分泌させます。これが代謝や免疫力の低下につながり、健康維持が難しくなります。
やさしい声かけは、ホルモンの安定にも効果的です。
睡眠・食欲
自己批判が強いと、寝つきが悪くなったり、食欲が乱れたりします。「食べすぎてしまう」「食べられない」といった悩みも、心の緊張が原因のことが多いです。
セルフコンパッションは、安心感を育て、自然な睡眠と食習慣を整える助けになります。
▶こちらの記事も参考になります🔗「心の栄養で摂食障害を克服して心の健康を守る3つの習慣」
セルフコンパッションが体質改善に役立つ理由
体質改善や健康維持を続けていくうえで大切なのは、知識や努力だけではありません。心が安心している状態でこそ、体は本来の力を発揮しやすくなります。

セルフコンパッションは、自分を責めるクセをやわらげ、心の緊張をほどく習慣です。ストレスによる自律神経の乱れやホルモンバランスの崩れを整え、体の回復力を高める土台になります。
また、「できなかった自分」を責めずに行動を続けられるため、体質改善に欠かせない“継続力”が自然と育ちます。
さらに、暴飲暴食や不調の背景にある感情にも気づきやすくなり、根本的な改善につながるのがセルフコンパッションの大きな強みです。心にやさしいアプローチが、体の変化を支える力になるのです。

ストレス軽減が体の回復力を高める
ストレスは、体質改善を妨げる大きな要因のひとつです。強い緊張状態が続くと、自律神経が乱れ、消化・代謝・睡眠など、体の基本的な働きが低下してしまいます。
セルフコンパッションは、自分にやさしく接することで心の負担を軽くし、ストレス反応を和らげる効果があります。
心が落ち着くと、体は本来の回復力を取り戻しやすくなり、体質改善のスピードも自然と高まります。
コルチゾール低下
ストレスが続くと、体内ではコルチゾールというストレスホルモンが過剰に分泌されます。これが続くと、免疫力の低下、脂肪の蓄積、睡眠の質の低下など、体質改善を妨げる状態に。
セルフコンパッションは、心の緊張をゆるめることでコルチゾールの分泌を抑え、体がリラックスしやすい状態をつくります。安心感が増えるほど、体は自然と整いやすくなります。
消化・代謝の改善
ストレスによって交感神経が優位になると、消化機能が低下し、代謝も落ちやすくなります。
セルフコンパッションは、心の負担を軽くし、副交感神経を働かせることで、消化・代謝の働きをサポートします。
食べたものをしっかり吸収し、エネルギーとして使える体に整うため、体質改善の効果が出やすくなるのです。
続けられる行動習慣が身につく
体質改善で最も大切なのは「続けること」。しかし、完璧を求めすぎたり、できなかった日を責めてしまうと、行動は続きません。
セルフコンパッションは、失敗や停滞を“責める材料”ではなく、“気づきのチャンス”として受け止める力を育てます。
その結果、無理なく行動を積み重ねられるようになり、体質改善が習慣として根づいていきます。
「できなかった自分」を責めない
「またできなかった…」と自分を責めると、行動への意欲が下がり、継続が難しくなります。
セルフコンパッションは、「今日はできなかったけれど、また明日からで大丈夫」と、自分にやさしい視点を持つ習慣です。
この姿勢が、行動を続けるための心の余白をつくり、体質改善の成功率を高めます。
小さな成功体験が積み重なる
自分を責めない姿勢が身につくと、「できたこと」に自然と目が向くようになります。
たとえ小さな一歩でも、それを認めることで自己効力感が育ち、行動が続きやすくなります。
小さな成功体験の積み重ねは、体質改善の大きな成果につながる大切なプロセスです。
暴飲暴食・不調の“根っこ”にアプローチ
暴飲暴食や体調不良の背景には、単なる食習慣だけでなく、感情やストレスが深く関わっていることがあります。
セルフコンパッションは、感情に気づき、やさしく受け止める力を育てるため、衝動的な行動を落ち着かせる効果があります。
心の根っこに寄り添うことで、食行動の乱れや不調の原因にアプローチでき、体質改善がよりスムーズに進むようになります。
感情と食行動の関係
不安・孤独・疲れなどの感情は、食欲や食行動に大きな影響を与えます。感情が満たされないと、食べ物で埋めようとする衝動が生まれやすくなります。
セルフコンパッションは、感情に気づき、やさしく寄り添うことで、食行動の乱れを根本から整えるサポートになります。
セルフコンパッションが衝動を落ち着かせる
衝動的に食べてしまう背景には、「つらい気持ちをどうにかしたい」という心のSOSがあります。
セルフコンパッションは、その気持ちを否定せずに受け止めることで、衝動の強さを和らげます。
安心感が生まれると、食べる以外の選択肢にも目を向けられるようになり、暴飲暴食の改善につながります。
▶こちらの記事も参考になります🔗「栄養でストレスを整える食事術」
今日からできるセルフコンパッション習慣
セルフコンパッションは、特別な準備や難しい知識がなくても、今日からすぐに始められる“心の習慣”です。
自分を責めるクセを少しずつ手放し、安心できる内側の土台を育てることで、心だけでなく体も整いやすくなります。体質改善や健康維持は、行動を続けるための「心の余白」がとても大切です。

完璧を求めず、できる範囲でやさしく自分に寄り添うことで、行動が自然と続き、体の変化も感じやすくなります。
この章では、日常の中で無理なく取り入れられるセルフコンパッションの習慣を紹介します。どれも数十秒でできるものばかりなので、忙しい日でも続けやすく、心と体の回復力を高める助けになります。
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やさしい声かけの習慣
セルフコンパッションの基本は、自分に向ける言葉をやさしくすることです。私たちはつい「もっと頑張らなきゃ」「できない私はダメだ」と、自分に厳しい言葉を投げかけてしまいがちです。
でも、その言葉が心の緊張を高め、体の不調につながることもあります。そこで役立つのが、やさしい声かけの習慣です。
たとえば、「今の私はよく頑張ってる」「大丈夫、ゆっくりでいい」といった言葉を、自分にそっとかけてあげるだけで、心がふっとゆるみます。
安心感が生まれると、行動への意欲も自然と戻り、体質改善の取り組みも続けやすくなります。
体調に寄り添うマインドフルネス
マインドフルネスは、「今の自分の状態に気づく」ためのシンプルな習慣です。忙しさやストレスで心がざわつくと、体のサインに気づきにくくなり、無理を重ねてしまうことがあります。
セルフコンパッションとマインドフルネスを組み合わせることで、体調に寄り添いながら行動できるようになり、体質改善にも良い影響を与えます。
ここでは、日常に取り入れやすい2つの方法を紹介します。
朝の深呼吸
朝の深呼吸は、心と体を整える最も簡単なセルフケアです。起きてすぐの1分間、ゆっくり息を吸って、ゆっくり吐くだけで、自律神経が整い、体がリラックスモードに切り替わります。
深呼吸をしながら「今日も大丈夫、ゆっくりでいい」と声をかけると、安心感がさらに高まり、1日のスタートが軽くなります。
食事前の“ひと呼吸”
食事前にひと呼吸おくことで、心が落ち着き、食べる量やスピードが自然と整います。
ストレスが強いと、早食いや過食につながりやすくなりますが、ひと呼吸するだけで衝動がやわらぎ、体の声を聞きやすくなります。
「今の私はどう感じている?」と問いかけることで、食事との向き合い方もやさしく変わっていきます。
できたことリストで自信を育てる
セルフコンパッションは、自分を責めないだけでなく、「できたこと」に目を向ける力も育てます。
体質改善は、小さな行動の積み重ねが大きな変化につながるため、日々の“できた”を丁寧に拾うことがとても大切です。
できたことリストは、自己効力感を育て、行動を続けるための心の支えになります。
1日3つの「小さなできた」
「早起きできた」
「深呼吸できた」
「間食を一つ減らせた」
など、どんなに小さなことでもOKです。1日3つ書き出すことで、自分の中にある“できている部分”に気づけるようになります。
完璧を求めず、小さな一歩を認めることが、体質改善の継続力につながります。
自己効力感の積み重ね
できたことを積み重ねると、「私にもできる」という感覚=自己効力感が育ちます。これは行動を続けるための大きなエネルギー源です。
自己効力感が高まるほど、無理なく行動でき、体質改善の成果も出やすくなります。自分を責めるのではなく、できたことを丁寧に拾う姿勢が、心と体の変化を支えてくれます。
▶こちらの記事も参考になります🔗「食生活の改善で幸せ体質へ導く方法」
セルフコンパッションで変わる“心と体の未来”
セルフコンパッションを日常に取り入れると、心の緊張がゆるみ、体も自然と整いやすくなります。
自分を責めるクセが減ることで、行動へのハードルが下がり、体質改善に必要な習慣が続きやすくなるのです。

さらに、心が安定すると睡眠や食習慣、自律神経のバランスも整い、体の回復力が高まります。こうした小さな変化の積み重ねが、未来の心と体に大きな違いを生み出します。
セルフコンパッションは、ただの“心のケア”ではなく、心身の健康を育てる土台。自分を大切に扱う姿勢が、体質改善の成功率を高め、心の幸福感にもつながっていきます。
ここでは、セルフコンパッションがもたらす未来の変化を、具体的に見ていきましょう。

体質改善が続く人の共通点
体質改善がうまくいく人には、いくつかの共通点があります。それは、特別な努力や強い意志ではなく、“心の扱い方”にあります。
自分を追い込まず、できなかった日があっても責めない。そして、小さな一歩を大切に積み重ねていく。この2つが、行動を続けるための大きな力になります。
セルフコンパッションは、この共通点を自然と育ててくれる習慣です。
自分を責めない
体質改善が続く人は、失敗を“自分を責める材料”にしません。
「今日はできなかったけれど、また明日からで大丈夫」と、やさしく受け止める姿勢が身についています。
この心の余白があるからこそ、行動を再開しやすく、継続につながります。セルフコンパッションは、この“責めない力”を育てる大切な土台です。
小さな一歩を大切にする
大きな変化は、小さな一歩の積み重ねから生まれます。体質改善が続く人は、完璧を求めず、「今日は深呼吸できた」「間食を一つ減らせた」など、小さな行動を丁寧に認めています。
この積み重ねが自己効力感を育て、行動を続ける力になります。セルフコンパッションは、この“小さな一歩”を見つけやすくしてくれます。
心が整うと体も整う
心の状態は、体の働きに大きな影響を与えます。ストレスが強いと睡眠が浅くなり、食習慣が乱れ、自律神経も不安定になります。
逆に、心が落ち着いていると、体は自然と回復モードに入り、体質改善がスムーズに進みます。セルフコンパッションは、心を整えることで体の働きも整えていく、心身一体のアプローチです。
睡眠
心が落ち着くと、寝つきが良くなり、睡眠の質も向上します。セルフコンパッションで安心感が育つと、夜の思考の暴走が減り、深い眠りにつながります。
良質な睡眠は、体の修復・代謝・ホルモンバランスに大きく関わるため、体質改善の土台になります。
食習慣
心が整うと、食べすぎや早食いなどの衝動が落ち着き、自然と食習慣が整います。
「食べなきゃ」「我慢しなきゃ」という極端な思考が減り、体の声を聞きながら食べられるようになります。これは、体質改善にとって非常に大きなメリットです。
自律神経
セルフコンパッションは、自律神経のバランスを整える効果があります。
やさしい声かけや深呼吸は、副交感神経を働かせ、体をリラックス状態へ導きます。自律神経が整うと、消化・代謝・免疫などの働きが安定し、体質改善が進みやすくなります。
心と体が整った先の恩恵
誰しも失敗や苦しみに直面することを避けられない時ってありますよね。私自身もそうでした。
そんな時に、自分の心と体が整っている状態と、そうでない状態では、その心と体の回復力に、かなりの差がでます。
日頃から「自分を大切に整えていく」このことを意識していくだけで、その先の恩恵ははかりしれません。されど生活習慣と体質改善かもしれませんね。
そして、心の持って行き方が体の健康にも繋がり、体の健康が心の「幸せ体質」に繋がっていくのだと思います。みなさんもぜひ、体験していってくださいね。
▶こちらの記事も参考になります🔗「体質改善とは? 管理栄養士が伝える健康的なライフスタイルの秘訣!」
まとめ:やさしさは体質改善の力になる
セルフコンパッションは、特別な準備も才能もいらない、誰でも今日から始められる“心の習慣”です。自分に向ける言葉を少しやさしくするだけで、心の緊張がゆるみ、体も自然と整いやすくなります。

心が落ち着くと、睡眠・食習慣・自律神経といった体の働きが安定し、体質改善の効果も高まりやすくなります。そして何より大切なのは、完璧を求めず、今日できる小さな一歩を大切にすること。
その一歩が積み重なることで、未来の心と体に大きな変化が生まれます。自分を責めるのではなく、やさしさで整えていくことが、心身の健康を育てる最も確かな道です。
あなたのペースで、ゆっくりと進んでいきましょう。
管理栄養士 平野ふみ
▼はじめてでも安心して受け取れる、整えるヒントをまとめました

◇参考文献
–セルフコンパッション研究の第一人者による基礎文献
–マインドフルネスとセルフコンパッションの実践書
–平野ふみ著「摂食障害を乗り越え管理栄養士に 自分のことを好きになるダイエット」