摂食障害の苦しさは「食べることへの怖さ」「食べても罪悪感が消えない」という心の痛みも伴うので、食事量の調整だけでは解けませんよね。
そこでお伝えしたいのが「心の栄養」です。
心の栄養とは、栄養素による身体的な土台づくりに加え、安心感・自己肯定感・人とのつながりといった心を守る要素の「要」です。
摂食障害ではタンパク質・鉄・ビタミンB群・適切な脂質が不足しやすく、脳と神経の材料が欠けることで不安や落ち込み、衝動が強まり悪循環が続きます。
さらに、睡眠不足や休息の欠如は回復力を削り、心の栄養を消耗させます。克服への現実的な道筋は「減らす」より「整えて満たす」。
少量でも材料を足し、生活リズムで消耗を防ぎ、言葉とつながりで安心を積み重ねることです。
この記事では摂食障害の方に向けて、心の栄養を中心に「栄養」「生活習慣」「心の習慣」の3つの習慣を具体策としてまとめ、無理なく毎日に落とし込める実践へ導きます。
私も摂食障害の経験者ですが食べることが怖かった時期に、少しずつ「心の栄養」を足すほど安心が増え、前に進める余力が戻っていったように思います。
今回は、こころとカラダの栄養ダイエットでカウンセリング栄養コーチをしている管理栄養士の筆者が「心の栄養で摂食障害を克服して心の健康を守る3つの習慣」をお伝えしていきますので、ぜひご覧ください。
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目次
栄養で満たす「心の栄養」:摂食障害の回復に必要な材料
摂食障害では「食べない」「極端に制限する」ことが続き、心(感情)にも制限がはいるので慢性的に窮屈さを感じて「心の栄養」が乏しくなっていきます。
心の栄養の第一歩は、脳と神経の材料を少量でも満たすこと。

タンパク質はセロトニンやドーパミンなどの神経伝達物質の原料となり、鉄は酸素運搬と神経機能の維持に関与、ビタミンB群は代謝の補酵素としてエネルギー生成と気分の安定を支えます。
脂質は「抜くもの」ではなく「選ぶもの」。オメガ3は神経細胞膜の機能に関与し、オリーブオイルは満足感と炎症低下に役立つなど、心の安定に寄与します。
摂食障害の方にとって重要なのは「完璧」ではなく「少量からの補給」。卵半分、豆腐ひと口、魚を一口、ヨーグルト少量といった現実的な足し算でも、心の栄養は確かに足されます。
主食を抜かず、脳の燃料である炭水化物を適量入れることで、焦りや過食の反動を抑えやすくなります。
「食べること=太る恐怖」から、「食べること=心を守る行為」へ意味づけを変えることが、回復の第一の橋渡しです。
もちろん、でいそうなところからで大丈夫!
私も食材や料理をひとかけらずつ足す勇気を持てた日から、心の揺れが少しずつ穏やかになりました。
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タンパク質と心の栄養:毎食にひとかけらを重ねる
タンパク質は脳内ホルモンの栄養でもあるので不足すると、摂食障害で起こりやすい「落ち込み」「イライラ」「無力感」を増やします。
毎食に主菜をひと口あらだけでも食べれるといいですね。
例えば(あくまでも例えば…ですので自分の歩幅で無理なくにと思います。)
主食を取り入れつつ(ここも無理なくな量から)
朝は卵半分+納豆小
昼は鶏むねの一口ソテー
夜は焼き魚のひとかけら+豆腐の味噌汁。
間食はヨーグルト小カップやチーズ少量で、血糖の乱高下を避けつつ満足感を支えます。
重要なのは「多く食べる」ではなく「毎食まんべんなく感謝して安心して食べれて行く」。
不足しがちな材料を小さく積み上げることで、神経伝達物質の材料が途切れず供給され、心の安定感が育ちます。ここで無理をするとストレスホルモンのコルチゾールが増加して逆効果の場合もありますのでね。
主食も少量で良いので抜かないこと。脳の燃料(炭水化物)を適量入れることで、衝動的な過食や強い不安の引き金を減らせます。
小さな補給の継続が、心の安心感と栄養を確実に満たしていきます。
鉄・ビタミンB群・脂質の整え:不安とだるさの底上げ
鉄不足は疲労感、冷え、集中力低下につながり、「動けない感」を強めて回復を妨げます。
赤身肉やレバーが怖い場合は、貝類、小松菜、ひじき+ビタミンC(吸収促進)から少量でスタート。
B群は豚肉、卵、納豆、青魚、雑穀ごはんで底上げします。
脂質は「抜く」より「選ぶ」。オメガ3(鯖・いわし・えごま・アマニ)やオリーブオイルを小さじ1程度料理に添えるだけでも、満足感と炎症低下に効果が期待できます。
サプリメントなどに偏るのではなく、毎日の食卓の総合力で「心の栄養」を満たす方が現実的で安全です。食材には食材にしかない「うま味」「栄養素」「食べ応え」がありますのでね。
週の中に「整えられた日」を増やす発想で、義務感や完璧主義から距離を置けていけます。少量・短時間・低負荷の積み重ねが、だるさや不安の底上げにつながりますよ。

生活習慣で守る「心の栄養」:眠り・活動・休息の仕組み化
心の栄養は、睡眠・活動・休息という生活の基盤によって守られます。
摂食障害の渦中では「休むと怠け」「動いていないと不安」と感じやすく、睡眠不足や過活動が続いて消耗が増します。
対策は「眠りの入口を整える」ことから。

就寝90分前の入浴で深部体温をゆるやかに下げ、就寝1時間前にブルーライトを避けて照明を暖色に。
朝はカーテンを開けて光を浴び、タンパク質+炭水化物の朝食で体内時計に起動(起きたよ~)の合図を送り、昼間の活動が自然に増えるリズムにしていきます。
活動は「激しい運動」ではなく、非運動性活動(NEAT)を重ねる発想へ。
10分散歩×3、家事とストレッチのながら、階段の一段追加など、小さく途切れず動くことで循環が整い、過食衝動も鎮まりやすくなります。
休息は予定表に先に入れる「マイクロ休息」をすると、流されずに休息がとれて心身が回復しやすくなります。
深呼吸3分、水分補給、目を閉じる、窓際で光を浴びるなど、短い回復を一日に複数回差し込むと、心の栄養の消耗を防げます。
完璧な生活を目指すのではなく、続く仕組みを作ることが回復の現実的な支えです。
私も眠り・活動・休息の少しでも、でも大切な行動を意識していくことで、心が元気になるというか、心の波が穏やかになり、続けやすさが生まれました。
今、こちらのブログを書いている私も、先ほど20分ほど休憩しましたら、今はタイピングも^^スムーズで効率がいいですよ。
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睡眠の質で心を守る:入口を整え朝光で起動する
睡眠は心の栄養の回復時間です。(これ本当に)
就寝1時間前にスマホや強い光から距離を取り、照明を暗めにして副交感神経へスムーズに移行します。
夕食は就寝3時間前までに、カフェインは午後は控えめに。
入浴は就寝90分前に済ませると眠気が自然に訪れます。
朝は起床後すぐにカーテンを開けて光を浴び、タンパク質+炭水化物の朝食で体内時計を起動。
「週末の夜更かしを控える」
「昼寝は20分以内」
は、睡眠負債を溜めないための要点です。
これらの入口調整だけでも、摂食障害特有の不安の高まりや衝動的な食行動が落ち着きやすくなります。
睡眠改善は一気にではなく、入口を一つずつ整えるのが続くコツです。
マイクロ休息と軽い活動:消耗を防ぐ日中設計
慢性的なストレスはストレスホルモンと言われているコルチゾールを高め、心の栄養の消耗とむくみ、過食の引き金になります。
対策は「小分けに休む」。4秒吸って6秒吐く呼吸を3分、10分の散歩、肩と目のストレッチ、水分を取る、窓辺で光を浴びるなど、短い回復を一日に複数回入れます。
予定表に休息タイムを先に確保したり、仕事・家事・育児の合間に差し込むと日常のリズムの中に入りやすく現実的になっていきます。
活動面は、階段を一段多く、買い物は一駅分歩くなどNEATを積み重ねて、循環を保ちながら消耗を避けます。
糖分で気分の一時的な上げ下げに頼らず、マグネシウム(ナッツ・豆類・海藻)やオメガ3(青魚・えごま)を食事で補うと、ストレス時の消耗が和らぎます。
小さな休息と軽い活動の連続が、心の栄養を減らし過ぎない日常を守ります。
心の習慣で育てる「心の栄養」:セルフコンパッションとつながり
摂食障害の回復には、行動を支える「心の習慣」も大切になります。
自己否定が強いと「完璧でなければ意味がない」と考え、行動が止まり、反動的な食行動へ傾きやすくなります。

ここで必要なのがセルフコンパッション(自分にやさしくする習慣)です。
「今日はここまでで十分」
「明日に橋をかける」
と言葉を置き換え、行動のハードルを下げます。
自分の評価軸は体重や短期成果ではなく、
「眠りの入口を整えた」
「主菜をひとかけら足した」
「10分散歩できた」
「水分1.5Lを確保」
「夜の甘い飲料は飲まないで済んだ」
など、具体的で小さな行動を、達成率60〜80%を目安に「できた印」を積み重ねると、心の栄養が少しずつ満たされていきます。
人とのつながりは、些細な挨拶からだけでも孤独感を和らげ、心の栄養の補給源になります。
挨拶、短いメッセージ交換、感謝のひとことなどの短い、小さい接点も大切に意識している中で、心が休まる感覚を感じれる時があるのは心の回復の支えでもあります。
完璧な交流を目指さず、疲れない範囲の接点を習慣化することが、安心の土台になります。
知らず知らずの完璧主義を緩め、小さな「できた印」を増やすほど、心は静かに安定していきました。
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セルフコンパッションの実践:言葉の整えが行動を支える
心が弱った時ほど…
「また失敗した」「何もできない」
と責める言葉が増えます。そこで、言葉の置き換えを習慣化します。
「今日はここまで」「明日に橋をかける」「十分やった」を口に出す。
気持ちを体重や見た目の評価軸から外して、
眠りの入口、主菜ひとかけら、10分散歩、水分1.5L、夜の甘い飲料ゼロなど5〜7項目に。
達成率60〜80%でOKとし、「できた印」を可視化して自己否定の勢いを弱めます。セルフコンパッション(自分にやさしくする習慣)は甘やかしではなく、現実に続く行動のための整えです。
心の栄養は「やさしい言葉×小さな行動」の組み合わせで増え、反動的な食行動や孤独感の波が穏やかになります。
人とのつながりを小さく増やす:孤独感を和らげる習慣
摂食障害の中では「理解されない」という孤独感が強く、自己否定が増え、回復の行動が途切れがちです。
長い会話や深い交流でなくても、挨拶、短いメッセージ、近況のひとこと、共有の小さな予定など、軽い接点が心の栄養になります。
オンラインでは、信頼できる少人数の場に参加し、疲れない範囲で「話せる時間」を確保。
疲れる場や否定的な関係からは距離をとり、休まる関係性を優先する勇気も整えの一部です。
週にいくつか心地よい接点を計画に入れ、「つながりの習慣」を育てていきましょう。
小さな接点が積み重なると、食べることへの怖さや自己否定の勢いが和らぎ、叶えたい方への行動のへと促してくれます。
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【まとめ】
摂食障害の克服は「減らす」ではなく「整えて満たす」を自分に寄り添うようにされていくおとが鍵です。
心の栄養は、栄養の材料を少量でも足すこと、睡眠・活動・休息を仕組み化して消耗を防ぐこと、セルフコンパッション(自分にやさしくする習慣)と言葉の整え、人とのつながりを習慣にすることの3つの習慣で育ちます。
完璧な食事や生活を目指すほど失速しやすいため、「ひとかけら」「10分」「3分」のような最小単位を重ねる設計が現実的です。
自分の評価で強くなっている感情の中の体重から日々の快適さへ広げ、「できた印」を増やすほど安心が積み重なり、反動や孤独の波に飲まれにくくなります。
今日できる小さな一歩を、明日に橋をかける。心の栄養は静かに増え、行動の余力が戻ってきます。焦らず、一緒に積み重ねていきましょう。
「整えもまた、知らず知らずに効果が表れる」
小さな習慣の連続が、確かに心の栄養を満たしてくれると自分の経験からも実感しています。
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みなさんらしい食べ方と生き方が、そっと整っていきますように…そんな願いを込めて、これからも発信を続けていきます。
管理栄養士 平野ふみ
■参考文献
– 厚生労働省:摂食障害とメンタルヘルスに関する資料(PDF)
– 日本摂食障害学会:摂食障害の理解と支援のガイドライン
–平野ふみ著「摂食障害を乗り越え管理栄養士に 自分のことを好きになるダイエット」