「ウェルビーイング」という言葉は、近年ますます注目を集めています。
WHO(世界保健機関)が定義する健康は「病気がない状態」ではなく「身体的・精神的・社会的に良好な状態」であり、心と体のバランスを整えることが重要だと示しています。
つまり、健康とは単なる不調の有無ではなく、日常生活の中で安心感を持ち、社会的なつながりを感じながら暮らせることを含んでいるのです。
私たちが日々の暮らしで意識できるのは、小さな習慣の積み重ねです。食事のバランスを整えること、睡眠の質を高めること、人との関わりを大切にすること。
これらはすべてウェルビーイングの一部です。この記事では、ウェルビーイングを軸に体質改善や健康維持のためにできる具体的な視点をまとめました。
こちらのブログの「整えメモ」シリーズにともつながる内容ですので、日々の暮らしに役立てていただけたら嬉しいです。
私自身も、完璧ではなくても一歩ずつ整えを積み重ねることで安心感が育つことを実感しています。
今回は、こころとカラダの栄養ダイエットでカウンセリング栄養コーチをしている管理栄養士の筆者が「ウェルビーイングとWHOに学ぶ心身の整え方」をお伝えしていきますので、ぜひご覧ください。
目次
ウェルビーイングの基本とWHOの視点
ウェルビーイングは「幸福」や「健康」と訳されることもありますが、単なる一時的な快楽ではなく、持続可能な心身の安定を意味します。
WHOは健康を「病気がない状態」ではなく「身体的・精神的・社会的に良好な状態」と定義しています。

これは、栄養や運動だけでなく、人との関わりや安心感も含めて整えることが重要だということです。
さらにWHOは「社会的決定要因」という考え方を示しており、住環境・教育・仕事・人間関係などが健康を左右するとしています。
つまり、健康は個人の努力だけでなく環境や社会との関わりによっても育まれるものなのです。

心と体を同時に整える習慣
心と体は切り離せない関係にあります。
栄養不足は心の不安を招き、ストレスは体調不良につながります。ウェルビーイングを意識するなら、食事・運動・休養をバランスよく取り入れることが大切です。
例えば、朝食にタンパク質を加えることで集中力が高まり、夜はスマホを手放して睡眠の質を整えることができます。
さらに、週の中に「休む予定」をあらかじめ入れておくと、心身の消耗を予防できます。
私も「休む予定」を先に入れるようにしています。休むことを守るだけで、安心感が育つのを感じます。
WHOが示す健康の定義を日常に
WHOの健康の定義は「身体的・精神的・社会的に良好な状態」です。
これを日常に落とし込むと、食事や運動だけでなく、人との関わりや安心感を意識することになります。
例えば、孤独を減らすために友人と食事を楽しむことも健康の一部です。さらに「小さなつながり」を複数持つことが安心感につながります。
ウェルビーイングは「一人で頑張る」ものではなく、社会的なつながりの中で育まれるものなのです。
私自身も、安心できる人との関わりがあることで心が整うことを実感しています。
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栄養と生活習慣から整えるウェルビーイング
ウェルビーイングを実現するためには、栄養と生活習慣の見直しが欠かせません。
栄養は心身のエネルギー源であり、バランスを欠くと不安や疲労につながります。生活習慣も同様で、睡眠不足や運動不足は心身の不調を招きます。

日常の中で「整える」ことを意識するだけで、ウェルビーイングは大きく変わります。栄養は「足りていないものを満たす」視点が重要です。
たんぱく質・鉄・亜鉛・ビタミンD・オメガ3など不足しがちな栄養素を少しずつ補うだけで(こちらは、偏らないようにお食事をされていかれたら、必然的に摂取できていきますのでね)気分や体力が安定しやすくなります。
生活習慣では「眠りの入り口」を整える工夫がポイント。
就寝90分前の入浴、カフェインの時間調整、光と音の刺激を弱めるなど、小さな工夫が心身の安定につながります。
私自身も痛感していますが、小さな意識と工夫が心身の不調の予防や軽減になっていきます。
栄養バランスが心を支える
栄養は体だけでなく心にも影響します。
例えば、ビタミンB群はストレス耐性を高め、オメガ3脂肪酸は心の安定に役立ちます。食事を偏らないように整えることは心の安定を支える大切な習慣です。
さらに「毎食に色を足す」も簡単なコツです。
赤(トマト)、緑(葉野菜)、黄(卵やかぼちゃ)、白(豆腐・魚)、黒(海藻)。色のバリエーションを増やすと、自然と栄養バランスが高まります。
私も食事を整えるとき、難しい理論より「色を足す」というシンプルな工夫を続けています。無理なく続けられる工夫が安心につながるのだと実感しています。
生活習慣の改善で整える
生活習慣の改善はウェルビーイングの基盤です。
睡眠の質を高める、適度な運動を取り入れる、デジタルデトックスを行うなど、小さな工夫が心身の安定につながります。
習慣化の敵は「ハードルの高さ」。運動は10分の散歩から、デジタルデトックスは食卓の30分だけから。小さく始めると続きます。
私も「小さな一歩」は常に意識しています。大きな変化より、できたことを記憶や記録するだけで安心感が積み重なります。
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社会的つながりと安心感が育むウェルビーイング
ウェルビーイングは個人の努力だけでなく、社会的なつながりの中で育まれます。
人との関わりは心の支えとなり、安心感をもたらします。孤独は心身の不調を招く要因となるため、信頼できる人との関係を大切にすることが重要です。

孤独感は睡眠や食欲、意欲に影響します。
「誰かに届く声を持つ」ために、短いメッセージの往復や挨拶だけの交流から始めるのも立派な整えです。深い関係を目指すより、日常の小さな接点を増やすことが安心感につながります。
人との関わりが心を整える
人との関わりは心の安定に直結します。孤独を減らすことでストレスが軽減され、安心感が育まれます。
ウェルビーイングを意識するなら、信頼できる人との時間を大切にしましょう。
人に会う体力がない日は「声の交換」「メッセージ」だけでも十分です。
音声やメッセージで短く近況を伝えるだけでも、心は整いやすくなります。
返事を強要せず「返事は不要です」みたいな感じを相手に合わせて添えることで、相手にも負担をかけずに、自分も返信を求めすぎないので、無理なく交流を続けられます。
こうした小さな関わりが積み重なることで、孤独感は薄れ、安心感が育まれていきます。
私も、人に会う体力がない日は「声の交換」だけにしています。短いメッセージでも心が整うのを感じます。
安心感が健康を支える
安心感は心身の健康を支える基盤です。
安心できる環境があることで、心は安定し、体も整います。ウェルビーイングは「安心感を持てる暮らし」を築くことから始まります。
例えば、住まいの中に「安心ゾーン」を決めること。
お気に入りの椅子、膝掛け、温かい飲み物のセットを固定化するだけでも、戻れる場所があるという感覚が心の回復を早めます。
安心できる環境は、日常の中で自分を守る小さな砦となり、心身のバランスを支えてくれるのです。
🔗こちらの記事も参考になります▶関連記事「心の健康を守る方法」
私自身も、安心できるスペースの『自分の落ち着く安心な場所』を持っています。戻れる場所があるだけで、心の回復は早まると感じています。
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【まとめ】
ウェルビーイングは、心と体、そして社会的なつながりを含めた「整え」の総合的な状態です。
WHOの定義を日常に取り入れることで、栄養・生活習慣・人との関わりをバランスよく整えることができます。
小さな習慣の積み重ねが、心身の安定につながり、未来への安心感を育みます。
日常の中で「食べる・休む・動く・つながる」の4つを意識し、できる範囲で整えることが大切です。
大きな変化を目指すよりも、小さな一歩を続けることが、ウェルビーイングを支える力になります。
こちらの「整えメモ」ブログシリーズでも紹介しているように、日常の中でできる工夫を続けることが大切です。
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みなさんらしい食べ方と生き方が、そっと整っていきますように…そんな願いを込めて、これからも発信を続けていきます。
管理栄養士 平野ふみ
◆参考文献
– WHO公式サイト「健康の定義」
– 厚生労働省 健康日本21
–平野ふみ著「摂食障害を乗り越え管理栄養士に 自分のことを好きになるダイエット」