「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシン・セロトニン・ドーパミンは、私たちの心と体を整える大切な脳内物質なんです。
安心感や絆を育むオキシトシン、心の安定を支えるセロトニン、やる気や達成感を高めるドーパミン。
それぞれが大切な役割を持ちながら、バランスよく働くことで日常の幸福感を支えているんですよね。

近年はストレスや不安を抱える人が増えているので、これらのホルモンを意識的に整える習慣が注目されてきています。
食事や運動、生活リズム、人とのつながりなど、少しの工夫で分泌を促すことができていきますので、ぜひ、ご覧いただいて参考にしていただけたら幸いです。
今回は、▶こころとカラダの栄養ダイエットでカウンセリング栄養コーチをしている管理栄養士の筆者が「幸せホルモン!オキシトシン・セロトニン・ドーパミンを味方にする」をお伝えしていきます。
幸せホルモンとは?
「幸せホルモン」とは、脳内で分泌される神経伝達物質の総称で、私たちの心と体の健康に深く関わっています。
代表的なものに、安心感や絆を育む**オキシトシン**、心の安定を支える**セロトニン**、やる気や達成感を高める**ドーパミン**があります。
これらはそれぞれ異なる大切な働きを持ちながら、バランスよく作用することで日常の幸福感を支えています。
近年はストレスや不安を抱える人が増え、幸せホルモンを意識的に整える習慣が注目されています。
食事や運動、生活リズム、人とのつながりなど、日常の小さな工夫で分泌を促すことが可能です。
ここでは「幸せホルモンとは何か」を整理し、その役割と整え方をわかりやすく解説していきますね。
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幸せホルモンの総称的な意味
「幸せホルモン」とは、医学的に特定の一種類を指す言葉ではなく、脳内で分泌される複数の神経伝達物質の総称なんですね。
代表的なものに、安心感や絆を育むオキシトシン、心の安定を支えるセロトニン、やる気や達成感を高めるドーパミンがあります。
これらはそれぞれ異なる大切な働きを持ちながら、バランスよく作用することで「幸福感」を支えています。
つまり幸せホルモンとは、心と体を整え、前向きな生活を送るための基盤をつくる複合的な仕組みがありますので、そこを味方にしていけたら安心ですよね。
脳内で分泌されるホルモンが感情や行動に与える影響
脳内で分泌されるホルモンは、私たちの感情や行動に直接的な影響を与えています。例えば、オキシトシンは人とのつながりや信頼感を高め、安心感をもたらします。
セロトニンは心の安定や睡眠リズムを整え、不安やイライラを軽減します。
そしてドーパミンは達成感や喜びを感じるときに分泌され、やる気や集中力を高めます。
これらのホルモンがバランスよく働くことで、前向きな感情や健全な行動が生まれ、日常生活の質が向上します。逆に不足や乱れがあると、ストレスや不調につながるため、意識的に整える習慣が大切です。
「幸福感」「安心感」「やる気」を支える仕組み
幸福感・安心感・やる気を支える仕組みは、脳内で分泌される幸せホルモンの働きによって成り立っています。
オキシトシンは人とのつながりや信頼関係を深め、安心感をもたらします。セロトニンは心の安定や睡眠リズムを整え、穏やかな幸福感を支えます。
そしてドーパミンは目標達成や成功体験で分泌され、やる気や集中力を高めます。これらがバランスよく作用することで、心身が整い、前向きな行動や持続的な幸福感につながります。
逆に乱れがあると不安や疲労感を招くため、日常生活で意識的に整えることが大切です。
▶こちらの記事も参考になります🔗「栄養でストレスを整える食事術」
オキシトシン ― 安心と絆のホルモン
オキシトシンは「愛情ホルモン」「絆ホルモン」とも呼ばれ、人とのつながりや信頼関係を深める働きを持っています。
家族や友人との会話、スキンシップ、ペットとの触れ合いなど、安心感を得られる場面で分泌されやすいのが特徴です。

オキシトシンが増えることで、心が穏やかになり、不安や孤独感が軽減され、前向きな気持ちを育てることができます。
また、ストレスを和らげる効果もあり、心身の健康を守る大切な役割を果たしています。
現代社会では孤独や不安を抱える人が増えていますが、オキシトシンを意識的に整えることで「安心感」と「絆」を育み、持続的な幸福感につなげることができるのです。

人とのつながりやスキンシップで分泌される
オキシトシンは、人とのつながりやスキンシップを通じて分泌されるホルモンです。
家族や友人との会話、抱擁や手をつなぐといった触れ合い、さらにはペットとのふれあいでも自然に増えることが知られています。
こうした日常のコミュニケーションは、安心感や信頼感を育み、孤独感や不安を和らげる効果があります。
オキシトシンが分泌されることで心が穏やかになり、人間関係をより良くする循環が生まれます。
現代社会ではストレスや孤独を感じる場面が多いからこそ、意識的に人とのつながりを持つことが、心身の健康を守る大切な習慣となります。
信頼関係や安心感を育む役割
オキシトシンは、人との信頼関係や安心感を育むうえで欠かせないホルモンです。
大切な人との会話やスキンシップ、協力し合う体験などで分泌され、心を穏やかにし、相手への信頼を深める働きを持っています。
オキシトシンが増えることで「この人と一緒にいると安心できる」という感覚が生まれ、良好な人間関係を築く土台となります。
また、ストレスを和らげる効果もあり、孤独感や不安を軽減する役割を果たします。つまりオキシトシンは、絆を強めるだけでなく、心身の健康を守るための大切なサポート役なのです。
日常で増やす方法
オキシトシンを日常で増やす方法は、特別なことではなく身近な習慣にあります。家族や友人との会話を楽しむ、笑顔で挨拶を交わす、ペットと触れ合うなどの時間は自然にオキシトシンを分泌させます。
また、感謝の気持ちを伝えることや、誰かを思いやる行動も安心感や絆を深めるきっかけになります。さらに、リラックスできる環境を整え、心地よい音楽や香りを取り入れることも効果的です。
こうした小さな習慣を積み重ねることで、オキシトシンが増え、心が穏やかになり、人間関係がより良いものへと育まれていきます。
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セロトニン ― 心を整えるホルモン
セロトニンは「心を整えるホルモン」と呼ばれ、精神の安定や自律神経のバランスに深く関わっています。
分泌が十分であれば、気持ちが穏やかになり、睡眠リズムや食欲も安定しやすくなります。逆に不足すると、不安感やイライラ、集中力の低下につながることもあります。

セロトニンは朝日を浴びる、一定のリズムで運動する、バランスの良い食事を摂るといった習慣で分泌が促されます。
特に「朝の光」と「規則正しい生活」は、心を整えるための基本的なポイントです。
現代社会ではストレスや生活リズムの乱れからセロトニン不足になりやすいため、意識的に整える習慣を持つことが、心身の健康を守り、持続的な幸福感につながります。
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自律神経や睡眠リズムを安定させる働き
セロトニンは、自律神経のバランスを整え、心身の安定に大きく関わるホルモンです。
十分に分泌されることで、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズになり、ストレスに強い状態を保ちやすくなります。
また、セロトニンは睡眠ホルモンであるメラトニンの材料にもなるため、夜の質の良い眠りを支える役割を果たします。
朝日を浴びる、一定のリズムで運動する、バランスの良い食事を心がけるといった習慣は、セロトニンの分泌を促し、自律神経や睡眠リズムを安定させる効果があります。
こうした日常の工夫が、心を穏やかに保ち、持続的な幸福感につながるのです。
朝陽を浴びる、リズム運動、バランスの良い食事で分泌が促される
セロトニンは、日常のちょっとした習慣で分泌を促すことができます。代表的なのは朝日を浴びること。
太陽の光を浴びることで体内時計が整い、セロトニンが活性化されます。さらに、ウォーキングやジョギングなどの一定のリズム運動も効果的で、心を落ち着かせる働きを高めます。
そして、トリプトファンを含む食品(大豆製品、乳製品、バナナなど)を取り入れたバランスの良い食事は、セロトニンの材料となり分泌をサポートします。
これらを組み合わせることで、心の安定や睡眠の質が向上し、持続的な幸福感につながります。
不足すると不安やイライラにつながる
セロトニンが不足すると、自律神経のバランスが乱れやすくなり、不安感やイライラが強くなる傾向があります。
気持ちが落ち着かず集中力が低下したり、睡眠の質が悪化することもあり、日常生活に支障をきたす場合があります。さらに、ストレスを受けやすくなり、心身の不調につながることも少なくありません。
現代社会では生活リズムの乱れや食生活の偏りからセロトニン不足になりやすいため・朝日を浴びる・リズム運動を取り入れる・栄養バランスの良い食事を心がけるなど、分泌を促す習慣を意識することが大切です。
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ドーパミン ― やる気と達成感のホルモン
ドーパミンは「やる気ホルモン」「報酬系ホルモン」とも呼ばれ、私たちのモチベーションや達成感に深く関わっています。
目標を達成したときや新しい挑戦に成功したときに分泌され、強い喜びや満足感をもたらします。その快感が次の行動への原動力となり、学習意欲や集中力を高める効果もあります。

逆にドーパミンが不足すると、意欲の低下や無気力感につながり、日常生活の質が下がることもあります。
小さな成功体験を積み重ねる、チャレンジを楽しむ、適度な運動や趣味を持つといった習慣は、ドーパミンの分泌を促す有効な方法です。
やる気と達成感を支えるドーパミンを意識的に整えることで、前向きな行動が続き、持続的な幸福感へとつながります。
ただ、オキシトシンやセロトニンもですが他のホルモンとのバランスが大切にはなるので、特に、この3つのホルモンのチームワークが活かせていけることで、その効果効能が更に期待できます。
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目標達成や報酬で分泌される
ドーパミンは、目標を達成したときや報酬を得たときに分泌されるホルモンです。小さな成功体験でも「やった!」という喜びを感じる瞬間に分泌され、強い満足感や達成感をもたらします。
その快感が次の挑戦への意欲を高め、学習や仕事、趣味などの継続につながります。
例えば、ダイエットで体重が減った、勉強で成果が出た、仕事で評価されたといった場面でドーパミンが働き、モチベーションを維持する力となります。
日常の中で小さな目標を設定し、達成を積み重ねることが、ドーパミンを増やし前向きな行動を支える鍵となります。
モチベーションや集中力を高める
ドーパミンは、私たちのモチベーションや集中力を高める重要な役割を担っています。目標を達成したときや新しい挑戦に取り組むときに分泌され、強い喜びや満足感をもたらします。
その快感が次の行動への意欲を引き出し、学習や仕事、趣味などの継続につながります。さらに、ドーパミンは集中力を高める働きもあり、目の前の課題に没頭できる状態をつくります。
小さな成功体験を積み重ねることや、達成感を意識する習慣を持つことで、ドーパミンが分泌されやすくなり、前向きな行動を支える力となるのです。
適度なチャレンジや小さな成功体験で増やせる
ドーパミンは、適度なチャレンジや小さな成功体験を積み重ねることで分泌が促されます。大きな目標だけでなく、日常の中で「できた!」と感じられる瞬間が重要です。
例えば、短時間の運動を続けられた、予定通りに作業を終えられた、学びを一歩進められたなどの達成感が、ドーパミンを増やすきっかけになります。
こうした小さな成功は次の挑戦への意欲を高め、モチベーションや集中力を維持する力となります。無理のない範囲でチャレンジを楽しみ、成功体験を積み重ねることが、前向きな行動と持続的な幸福感につながるのです。
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幸せホルモンを日常で整える習慣
幸せホルモンは特別な場面だけでなく、日常の小さな習慣によって整えることができます。例えば、朝日を浴びて体内時計をリセットすることはセロトニンの分泌を促し、心の安定につながります。
人との会話やスキンシップはオキシトシンを増やし、安心感や絆を深めます。そして、目標を達成したり趣味を楽しむことでドーパミンが分泌され、やる気や達成感を支えてくれます。

こうした習慣は一度に大きな変化を求める必要はなく、日常の中で少しずつ積み重ねることが大切です。
食事・運動・睡眠・人とのつながりを意識することで、幸せホルモンがバランスよく働き、心身の健康と持続的な幸福感を育むことができます。
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オキシトシン・セロトニン・ドーパミンをバランスよく意識する
幸福感を支えるオキシトシン・セロトニン・ドーパミンは、それぞれ異なる役割を持ちながら相互にバランスを取り合っています。
オキシトシンは人とのつながりや安心感を育み、セロトニンは心を整え自律神経や睡眠リズムを安定させます。そしてドーパミンはやる気や達成感を高め、前向きな行動を促します。
どれか一つに偏るのではなく、日常生活の中で意識的にバランスよく整えることが大切です。
人との交流、朝の光や運動、目標達成の喜びなどを組み合わせることで、心身が安定し持続的な幸福感へとつながります。
「人とのつながり」「生活リズム」「小さな達成感」を習慣化する
幸せホルモンを整えるためには、「人とのつながり」「生活リズム」「小さな達成感」を日常の習慣にすることが大切です。
家族や友人との会話や笑顔の交流はオキシトシンを増やし、安心感を育みます。朝日を浴びて規則正しい生活を送ることでセロトニンが分泌され、心の安定や睡眠の質を支えます。
そして、日々の中で小さな目標を達成することはドーパミンを促し、やる気や集中力を高めます。これらをバランスよく取り入れることで、心身が整い、持続的な幸福感へとつながります。
無理なく続けられる工夫(食事・運動・休養)
幸せホルモンを整えるためには、無理なく続けられる工夫が大切です。まず食事では、栄養バランスを意識し、セロトニンの材料となる大豆製品や乳製品を取り入れることが効果的です。
次に運動は、ウォーキングやストレッチなど軽いリズム運動を習慣化することで心身を整えられます。そして休養では、十分な睡眠とリラックス時間を確保することが欠かせません。
これらを完璧にこなす必要はなく、日常に少しずつ取り入れることで持続可能な習慣となり、安心感や幸福感を支える基盤になります。
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【まとめ】
幸福感を支えるオキシトシン・セロトニン・ドーパミンは、それぞれ安心感・心の安定・やる気を担う大切なホルモンです。
人とのつながりやスキンシップでオキシトシンが分泌され、絆や信頼を育みます。朝日を浴びる、リズム運動、バランスの良い食事はセロトニンを整え、心を穏やかに保ちます。
そして小さな成功体験や適度なチャレンジはドーパミンを増やし、モチベーションや集中力を高めます。
これらをバランスよく意識し、食事・運動・休養を無理なく続けることで、心身の健康と持続的な幸福感が育まれます。日常の習慣を少しずつ整えることが、安心感と前向きな行動を支える基盤となっていきます!
ぜひ、これらの「幸せホルモン」のチームワークを日常の中で味方にしていけたらいいですね。私も応援しています。
管理栄養士 平野ふみ
■参考文献
–中村敬・大野裕『セロトニンと心の健康』医学書院
–前野隆司『脳はなぜ「心」を作ったのか ― 「私」の謎を解く受動意識仮説』
–平野ふみ著「摂食障害を乗り越え管理栄養士に 自分のことを好きになるダイエット」